交通事故相談なら弁護士法人エース傷病別解説外貌醜状(顔の傷跡)の方

外貌醜状(顔の傷跡)の方傷病別解説

交通事故で、主に認定される後遺障害を紹介します。

交通事故で、
主に認定される後遺障害を紹介します。

外貌醜状(顔の傷跡)の方

外貌醜状(顔の傷跡)とは?

外貌(がいぼう)とは、上肢・下肢を除く頭部、顔面部及び頚部等の日常露出する部分を指し、外貌醜状とは、これらに残った傷跡のことをいいます。
線を引いたような線状痕となることが多いですが、火傷のあとのような瘢痕、周りの組織より陥没したようにみえる組織陥没など面状の傷跡のほか、肌の色が黒褐色に変色したことによる色素沈着や白斑などの色素脱失と呼ばれる傷跡が残ることもあります。
外貌醜状の後遺障害の内容は、被害者が男性か女性かで等級に差異が設けられていましたが、平成22年6月10日以降に発生した事故については、男女とも同じ基準で判断されることになりました。 また、書面審査を基本とする自賠責の後遺障害等級調査において、認定可能性のあるケースでは,瘢痕の長さや大きさを測定し,形状や色の確認が行われる面談審査が必ず行われる点が特徴的な後遺障害です。

可能性のある後遺障害等級

後遺障害等級認定対象となる外貌醜状とは、人目につきやすい程度の傷痕であることとされ、下記表のとおり12級14号、9級16号、7級12号の3種類のうちいずれかの等級となります。

後遺障害
等級
設定要件 具体例
7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの
<頭部>
手の平大(指の部分を含みません)以上の瘢痕または9センチメートル以上の線状痕など
<顔面>
鶏卵大以上の瘢痕,10円硬貨大以上の組織陥没など
<頚部>
手の平大(指の部分を含みません)以上の瘢痕など
9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
<顔面>
5センチメートル以上の線状痕など
12級14号 外貌に醜状を残すもの
<頭部>
鶏卵大以上の瘢痕など
<顔面>
10円硬貨大以上の瘢痕、3センチメートル以上の線状痕など
<頚部>
鶏卵大以上の瘢痕など

上記のほか,頭部・まぶた・耳・鼻の欠損については,欠損障害だけでなく,外貌醜状として認定される可能性があり,欠損障害の認定等級と外貌醜状の認定等級のうち,いずれか上位の等級が認定されます。


後遺障害等級獲得のポイント

外貌醜状の等級獲得のポイントとしては、瘢痕等のある部位や瘢痕の種類,程度等を見定め,それにあてまる基準を正確に押さえて診断書を作成してもらうこと、そして面談審査の際に傷跡の大きさを適切に測定してもらうことです。測定の際には,傷跡のどこからどこまで測定したものなのか,あるいは人目につく程度という基準をどう判断したのかは,面接官の主観が入ります。顔面に線状痕3センチメートルあれば12級14号が認定されるところ,1ミリメートル短いと面接官が判断すれば後遺障害等級の認定はされません。当事務所ではこのような不利益を回避するために面接の際には弁護士が立ち会っております。また,外貌醜状は,傷跡が複数ある場合にはそれらの大きさや長さ、範囲を総合して評価してもらえるように訴えることも重要なポイントです。

示談交渉のポイント

外貌醜状の示談交渉では、まず間違いなく逸失利益の有無が争点となります。人前に出ることが仕事となるモデル業の方で外貌醜状が残ったことにより仕事そのものを失ったり仕事の幅が狭まったりといった場合では逸失利益は当然認定されてよいものですが、人前に出る仕事ではない場合では直接的な逸失利益の認定は難しいこともあります。
しかし、外貌醜状が残ったことにより就職活動が困難となった,また,営業や接客業等の仕事で他部署に配転されるなどの不利益を被ったなど,社会生活に影響が出ていることを具体的に主張することで逸失利益が認定されることも多くあります。
仮に、逸失利益がないという場合には慰謝料の調整機能を活かして後遺障害慰謝料の増額を目指すべきです。
これらを踏まえて、粘り強く交渉していくことが重要です。